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角突きのミカタ

角突きをもっと深く見よう − 角突きの次第について

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第3回 いざ出陣!−出場祝いと土俵入り

角突きが行なわれている間、もし時間があれば,溜場(牛を繋ぎとめておく場所)へ足を運んでみよう。そこでは土俵上で繰り広げられる光景とはまた異なる光景が見られるかもしれない。それが牛の土俵入り直前に見られる出場祝いである。

出番が近づいてくると、勢子達が三々五々と二手に別れて溜場に向かい、そこで出番を待つ牛と牛持ちとを囲んで出場祝いをする。出場祝いには二つの意味がある。一つは牛持ちが勢子に対し「綱かけ」、「牛曳き(馬子)」、「綱ひき」などを成功裡に行なうようにお願いすることである。二つは出場前に集まった皆で景気づけをして勝利を願うことである。

勢子達が集まってくると、牛持ちは鼻綱を解き易いように結びなおし、面綱(相撲の化粧回しに相当する頭部の装飾物)をつけていない牛にはこれをつける。そして、おもむろに家からもってきた日本酒を開封し、まず牛の尾から頭の方に向けて背中にかけ、残った酒を「綱かけ」、「牛曳き」、「綱ひき」の順に牛持ちの手ずから回し飲みさせてゆく。「牛曳き」とは土俵入りの際に牛を曳き回す者であるが、これは牛持ち自身がやる場合と勢子の内の若い者に任せる場合がある。また、「綱かけ」に一番最初に酒を回すことには意味がある。なぜなら「綱かけ」はそのタイミングや成功・失敗によって角突きの「出来栄え」を強く左右する。出場祝いにみる「綱かけ」の位置づけから、いかに彼らが角突きにおいて重要かつ責任ある役割を担っているかが分かると言えよう。

出場祝いが終わると、杭や立木に結んでおいた曳き綱を解き放ち、牛曳きに引かれた牛を先頭に勢子達がこれに続いて角突き場へと向かう。土俵入りである。角突き場へ入場する際には、勢子達の「ヨシター!」の声援にあわせて入場するのが通例である。牛曳きは角突き場の入り口から駆け足に場内に入り、曳き綱を地面につけずに牛を場内に曳き入れ、これを曳き回す。牛の曳き回しは右回りで行なわれることになっているが、これが上手くできる勢子や牛持ちの所作は実に「粋」である。入り口の対角線上まで来ると曳き綱で牛を手繰り寄せ、曳き綱と面綱を外し、これを勢子に託す。曳き綱と面綱を託される勢子は「綱もち」と称される。「綱かけ」等と同様に、これも角突きの重要な道具である曳き綱と面綱を角突きが終わるまで責任もって預かる重要な役回りである。曳き綱と面綱を外した後に、鼻綱も解き、もう一方の牛の土俵入りが終わるのを待つ。

もう一方の牛も土俵入りを済ませたら、お互いに牛の進行方向右側から鼻綱を持って土俵の中央に牛を近づけていく。両牛が充分に接近し、呼吸が合ったところで同時に鼻綱を抜き取り、上空に高く放り上げる。これが牛と観客ともに角突きの開始を知らせる合図であり、鼻綱の抜き方次第で勝負が決まることも多いという。

(文責:渡邉敬逸)
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