勢子紹介
牛と心で通じ合う人たち ― 勢子って知ってますか?
牛の角突きって、牛がぶつかり合うだけだと思っていませんか?
実は、その舞台の裏で、牛たちと心を通わせ、場を整えている人たちがいます。
それが勢子(せこ)です。
勢子は、牛の側に立ち、時に声をかけ、時に手を伸ばし、牛たちを支えています。
まるで、牛の気持ちがわかるかのように動くその姿は、まさに「牛のパートナー」。
力強くぶつかる牛たちを、どうやって止めているの?
牛に挟まれそうで怖くないの?
どうしてそんなに落ち着いて動けるの?
きっと、そんな疑問が湧いてくると思います。
勢子たちは、牛が大好きで、この伝統を守るために、その技を磨きます。
牛を見るだけじゃ、もったいない。
ぜひ、勢子の一瞬の動きや、真剣なまなざしにも注目してみてください。
この角突きが「ただの牛のケンカ」じゃないって、きっと伝わるはずです。

勢子の役割
牛の角突きは、ただ牛がぶつかるだけではありません。
その始まりから終わりまで、勢子(せこ)と呼ばれる人たちが、牛と息を合わせながら大切な役割を果たしています。
1. 【登場前】牛の気持ちを整える
勢子は、牛の性格やその日の調子をよく見ています。
登場前には牛を落ち着かせたり、気持ちを盛り上げたり。
まるで気持ちの準備運動のような時間です。
2. 【登場】牛と一緒に土俵へ
牛が登場するとき、勢子は牛のそばで歩きながら、周囲の様子を見守っています。
観客や他の牛に驚かないように、牛の“目”と“耳”の代わりになっているのです。
3. 【角突き中】絶妙な間合いで支える
角突きが始まると、勢子は牛たちのすぐそばで動きを見守ります。
牛が危険なときは、あえて間合いを調整したり、角突きを止めたりします。
命がけで、「安全で魅せる角突き」を支えています。
4. 【引き分け・終わりの合図】
角突きには勝ち負けがありません。
引き分けのタイミングを見極め、勢子長が合図を出して角突きを終わらせます。
牛が興奮しているときは、何人もの勢子が連携して、牛を引き離します。
5. 【退場】牛を無事に見送る
角突きが終わったあとは、牛を落ち着かせながら退場します。
最後まで気を抜かず、牛が怪我なく帰れるように気を配っています。
最後にひとこと
牛とぶつかり合うのは牛同士ですが、
牛と共に“角突きをつくる”のは勢子の存在があってこそ。
ぜひ、牛の迫力とあわせて、そばで動く勢子たちの姿にも注目してみてください。